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壱のすき 天野千尋『フィガロの告白』
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22min./16:9/STEREO/HDV/2012
監督・脚本:天野千尋
撮影:満若勇咲
美術:金子陽介
録音:茂木祐介
音楽:原夕輝
ヘアメイク:寺沢ルミ
助監督:平波亘
制作:松尾圭太
キャスト:米本来輝/岩佐和明/影山樹生弥/清水尚弥/田代りさ/橋野純平
あらすじ
夏休み。いつもの秘密基地に集まる、ヨネ、カゲやん、ナオヤ、岩さんの中学生男子4人組。女子の話で盛り上がり、妄想を膨らませ、ついに好きな女子への告白を決行する。果たして彼らの恋の行方は…?!苦くて甘い果実のような、青春の1ページをお楽しみください。
制作意図
誰もが経験する、おばかで身勝手で、けれど愛おしい中学生時代。私自身、穴があれば入りたくなる様な思い出ばかり…そんな甘酸っぱい日々の「すき」を、キラキラ活き活きと再現したい!という一心で作りました。これを見て、中学の頃の淡い恋と、爽やかな悪意に満ちた友情を、懐かしんでください。
監督プロフィール
天野千尋 AMANO,Chihiro
1982年生まれ。約5年の会社勤務を経て、映画制作を開始。ENBUゼミナール卒業制作『さよならマフラー』(09)がCO2などの映画祭で上映され、『賽ヲナゲロ』(09)はPFF入選、『チョッキン堪忍袋』(11)はPFF、TAMA NEW WAVEなど複数の映画祭に入選した他、田辺・弁慶映画祭にて特別審査員賞。ハンブルグ日本映画祭にて上映される。
コメント
ヒキだと似たように見える今どきの髪型をした少年たち――これが近づいてみると、実にいい。さりげなくもそれぞれにキャラクターがあって、半笑いのリアクションに小声のツッコミなど、やりとりも生々しくて、彼らの息づかいが感じられた。演出のなせる業だと思う。
ゴダールは銃と車と女があれば映画は作れると言っていたけど、僕らにとってのそれは、夏と少年と自転車だと改めて思った(エロ本とブルマがあればなお良い)。
熊切和嘉(映画監督)
まずい。この男子中学生、多分、あたしだ。ああ、エロ本の回し読み、楽しい。女の子のブルマ姿が眩しい。妄想。好きな子に接近したい、でも、言えない、逃げ出したい、いや、やっぱ触りたい。人生の中で一番恥ずかしい時期に、男子はみんなニヤニヤしながら自転車を漕ぐ。あの時のニヤニヤは、きっと、今も止んでない。
森下くるみ(女優・文筆家)
『クリスマス・ストーリー』のマチュー・アマルリック、その輝きにも匹敵する本作の男の子たち、
“愚か×(4中学生+1父)”の 燦めくバカっぷりはただごとでない。
ずっとずっと見蕩れていたいと思わせる。
※全作品レビューより抜粋。全文はパンフレットをご覧ください。
川口敦子(映画評論家)